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三八の選択を

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今朝生まれたメス子牛です。

この子の父親は「シーカルヘイ ツルー PP ET」(7H12814)です。名号についているPPとは無角遺伝子のことで、生まれてくる牛には100%角が生えてきません。

通常ホルスタインは角が生えてくるので、除角の手間や除角の際の牛の苦痛が省かれます。


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先日は僕の誕生日で家族と社員の皆さんにお祝いして頂きました。

ちなみにみんなで食事ができるようにダイニングテーブルを大きいものに買い替えました。

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子供たちからサプライズのお手紙をもらい、感動のあまり涙がダム状態。


突然ですが、38歳になる今年、一大決心をして鹿野牧場を大きく方向転換することにしました。

今まで80頭規模で行っていた搾乳頭数を大幅に減少し、新たに和牛繁殖部門を立ち上げる事にしました。

和牛繁殖部門というのは、和牛のメス牛を飼養し生まれた子牛、または10ヶ月まで育てた元牛を販売する事業です。

これの一番の目的は、「働き方改革」が提唱されている昨今、当牧場でも社員の労働時間を改善し年間休日数の充実を図ることです。

また日々の搾乳作業は重労働であり、特に当牧場のような繋ぎ牛舎の搾乳は中腰になるので体への負担も大きいです。

このように考えるようになったのは、社員のMMコンビが素晴らしい人たちなので、当牧場で末永く元気に働いてほしいという思いが強かったというのが一番の理由です。

労働を削減するだけではなく、収益も確保しなくてはなりません。鹿野牧場では以前より乳牛の繁殖管理にかなり重点を置いており、これまでの実績もあることから和牛繁殖管理においてもある程度今までの技術を応用してやっていけるのではないかという思惑もあります。

搾乳牛を多頭飼いすることによる糞尿処理の適切管理に限界を感じていたことも一因です。

昨年より前段階として、自家初妊牛を全て売却し、搾乳頭数の減少と和牛導入資金の準備を行ってきました。

今年の6月よりいよいよ和牛メス牛を導入し、産まれた雄牛は販売、雌牛は基本牧場に残し繁殖メス牛頭数の拡大を図っていきます。

最終的な目標としては搾乳牛30~40頭、繁殖和牛50~60頭の予定です。


というわけで、今僕たちは和牛飼養の勉強中です。

先日関連書籍を3冊購入し、僕も含めて1人1冊読んでレポートを提出するように指令を出しました。

3つのレポートはこのブログで紹介予定で、今日は先陣を切って僕の読んだ書籍を紹介します。



「肉牛飼養全科」1954年初版とかなり古く、大学の教科書を彷彿とさせる文字の小ささと多さでゲンナリしながら飛ばし読みしました。

乳牛を管理するうえでも再確認すべき内容が多く、とりあえず今回は気になった箇所を箇条書き的に紹介しましょう。

ちゃんとしたレポートはいい本を選択しているMMコンビに期待しましょう。笑

①和牛に限らず牛体の発育順序は頭⇒四肢⇒胸郭⇒腰であり、骨格形成の後に筋肉の形成に重点が置かれることを意識して育成管理を行うべきである。

②繁殖牛の導入時の選択基準において、体型・資質、繁殖成績の良し悪しなどが挙げられていたが乳量の多さも重要項目である。それは生まれた子牛が十分に発育できる初乳を接種するためである。
(ホルスタインの場合、3~5日程度母牛の初乳を与えた後粉ミルクに移行するが、和牛の場合生まれた子牛を数か月母牛に付けて直接母牛から哺乳するため)
哺乳する前と哺乳後の乳房容積がはっきりと差が付き、母牛が少しやせてくる状態なら乳がよく出ていると推測できる。

③メス牛を子牛から育て性成熟が進むと初発情がみられるが、いつ起こるかが重要である。初発情が7~8ヶ月齢とあまり早くから発情する牛というのは栄養状態が高すぎる傾向にあり、その後の太り過ぎによる妊娠障害を起こしやすい。低栄養過ぎても発情は起こらないので、10~12ヶ月程度で起こるように栄養状態を調整しなければならない。

今回は以上です。

実は1年ほど前にM浦君と富良野管内の優良和牛繁殖牧場を見学しているので、折をみてそちらも紹介しましょう。

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このあたりもようやく雪が解けてきたので、最後に写真を貼っておきます。

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北海道、富良野管内
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだニゲチャダメダ。

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